地方創生部門
内閣府地方創生推進事務局長賞
地元人[兵庫県]
地域で本づくりチームを結成し、「地元の本」をつくる出版プロジェクトの創刊号です。 創刊号の舞台は、版元であるスタブロブックス代表の地元の兵庫県加東市。田んぼが広がる豊かな自然が魅力で、日本一の酒米・山田錦の一大産地ですが、県中央部の目立たない田舎まちゆえに認知度は高くありません。そんな地元で出版活動を続ける中、「地元の誇りを高め、外にも魅力を伝える地域本を創刊したい」と立ち上げたのが本シリーズです。 創刊号では元教師、文化会館職員、高校生など多世代でチームを組み、取材や編集を通じて地域の価値を掘り起こし、240Pに凝縮。観光パンフでは伝えきれない、地域資源の魅力やこの地で活動する人たちの物語を描くことで、加東の人はもちろん、読者それぞれが自らの地元を見つめ直すきっかけになればと願っています。今後は他の地域で第2号、第3号と展開し、地元人シリーズを通して地域同士、地域と人をつないでいきます。
優秀賞
東川町 「写真の町」40周年誌 ちいさな町の、おおきな歩み[北海道]
1985年に北海道の中央に位置する小さな町、東川町が「写真の町」を宣言してから40年という節目に制作した冊子です。人口8600人ながら、30年間人口が少しずつ増え続けている「地方創生の成功例」としても注目される東川町ですが、その根幹にはこの「写真の町」が重要な役割を担ってきました。しかし「写真の町」にまつわる大型の写真イベント以外で、町民が直接的に「写真の町」を実感する機会はそう多くなく、「移住者の町」「地方創生の成功例」という表面的な部分が注目されるあまり、現在の町づくりの重要部分でもあるこの「写真の町」が年々見過ごされがちなのが現状です。本冊子では、「そもそも何故写真の町なのか?」「町にとってどういう意味・価値があるのか」などを、「写真」そのものに興味がない方や町民やでも読みやすい形で届ける工夫をしながら、文化での町づくりがどういう意味や価値を持つのかを見つめ直す1冊になっています。
優秀賞
ちょっとだけ、楽しい暮らしがあるところ[埼玉県]
市内には、JR高崎線本庄駅、JR八高線児玉駅、上越新幹線本庄早稲田駅、関越自動車道本庄児玉ICといった恵まれた交通インフラが存在しています。また、細長い形をした本市には、のどかな里山風景が広がる「児玉町エリア」、区画整理された住宅地とおしゃれな店舗が並ぶ「早稲田の杜エリア」、古くからの蔵や歴史ある神社仏閣が残る「本庄駅周辺エリア」があります。それぞれ異なる特徴を持つエリアの魅力の紹介のほか、エリアごとの移住者インタビューと、それに連動した動画を配信することで、より本市での暮らしをイメージしていただけるような構成としています。また、多くの方の手にとっていただけるよう、表紙を本市の街並みが描かれた目を惹くデザインとしています。
優秀賞
kawagoe premium[埼玉県]
創業100周年を迎えた櫻井印刷所が作っているフリーペーパー。「小江戸にくるひと、住まうひと」をコンセプトに地域の記憶・記録としてオリジナル取材を実施し、地元の人たちの本棚に置いていただけるフリーペーパーを目指しています。また印刷会社ならではの紙や製本、組版のこだわりを存分に表現。広告はとっておりませんが、3000部ほど作成して市内のご協力店舗様に配布していただいています。観光冊子とは少し違い、川越に住む人が地域を知り、誇りに思えるようなコンテンツ紹介をしています。


審査コメント
受賞された皆さまに心よりお祝い申し上げます。 今回エントリーされた作品はいずれも、地域を深く理解し、強い愛着をもって情報を発信する素晴らしい媒体ばかりでした。その中で最優秀賞に選ばれた『地元人』は、地域の魅力を“若者の視点”から掘り起こす取り組みが際立っていました。地元の高校生が企画・制作に参加し、地域の歴史、文化、産業の現場を実際に取材していることで、生き生きとした地域の魅力が伝わってきます。 私ども内閣府が掲げる地方創生の基本理念の一つに、「若者や女性に選ばれる地域づくり」があります。『地元人』で活躍する高校生の姿は、その理念をまさに体現するものであり、若い世代が主体的に地域に関わることによって、将来の地域人材の育成につながると強く感じました。 さらに本誌は、高校生だけでなく、自治体職員、元小学校教員、女性アーティストなど、多様な分野の方が連携して制作している点も大きな特徴です。世代や立場を超えて“みんなで地域をよくしたい”という思いが結集された誌面からは、地域の未来に向けた力強い意思が伝わってきます。 こうした取り組みは、地方創生の理念そのものであり、その実践として高く評価されました。 受賞、誠におめでとうございます。
受賞の喜びの声
本作りチームで地域の本質的な価値を考え完成させた『地元人』は、読者が自分の地元を見つめ直し、誇りを取り戻すきっかけになってくれることを願って創刊しました。母校の5名の高校生に参加してもらい、“地元人の生きざま”に焦点を当て、“人”を通して地元の魅力を表現いたしました。その点をご評価いただき、審査員の皆さまには心より感謝申し上げます。『地元人』は加東市版を第一歩として、今後他の地域へも展開し、人と地域をつないでいきます。地方の小さな出版社の活動に光を当てていただきありがとうございました。